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大防法・石綿則の改正によりアスベストレベル3含有建材も規制強化!

特定建築材料以外の石綿含有建材(レベル3)とは?

引き続いて各論に入ります。
1.特定建築材料以外の石綿含有建材(レベル3)除去等作業の際の石綿飛散防止
特定建築材料以外の石綿含有建材とは、どのようなものがあるでしょうか?

つまり、内装材(壁・天井)、外装材(外壁、軒天)、屋根材、床材です。
えっ!建物のほとんど総てじゃないですか!
これらの材料にもアスベストが使われていたなんて!

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と驚いてみましたが、元ゼネコンですから当然知っていました。
これらの材料は特定建築材料(レベル1・2)に比べて「除去等作業における石綿の飛散が相対的に少ないと考えられることを踏まえ、大防法(大気汚染防止法)の規制の枠組みには入っていない」ということで、レベル3の取り扱いは軽易でした。
しかし、「除去等作業時の取扱いが不適切な場合には石綿が飛散する可能性がありとの指摘があり」これまでは、マニュアルや通知において除去等作業の飛散防止対策が示されたとのこと。
しかし実際には「養生、湿潤化等の飛散防止措置を実施せずに建材を破砕した等の不適切な事例が確認されている」(答申案5ページ)
二度とアスベスト被害者を出さないという強い覚悟で、条例(=法律)で規制を行っている都道府県もあります。
そこで、今回、ようやく全国的に法規制しようという運びになりました。
それでは、この法規制を大防法(大気汚染防止法)の中で、どのように位置付けるのでしょうか?

答申の内容①総論

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それでは、「今後の石綿飛散防止の在り方について(答申)」の中身に入りましょう。
まずは「総論」からです。
アスベスト・レベル3について、これまでのようにマニュアルや通知だけでは不十分で、防止策を制度化すべき。つまり、法定化しなければレベル3の飛散は防止できない!
◎事前調査が不十分なので、調査方法を法定化し、必要な知識を有する者を活用しなければならない!
◎解体工事に際して最終的な責任は、解体工事を発注した方なの?解体工事を受注して、実際に工事をした受注者なの?その辺をはっきりさせる必要がある!

アスベスト除去の作業後、一体どのように確認するの?
◎現在使用している建築物のアスベスト使用状況を把握しなければ!
アスベストの飛散防止対策について、もっと普及啓発しなければ!

ということで、それぞれ「各論」に入ります。
メニューは以下の通り。
1.特定建築材料以外の石綿含有建材(いわゆるレベル3)除去等作業の際の石綿飛散防止
2.事前調査の信頼性の確保
3.石綿含有建材の除去等作業が適切に行われたことの確認
4.特定粉じん排出等作業中の石綿漏えいの有無の確認
5.作業基準遵守の強化
もう二度とアスベスト被害者を出さない!
我が社も微力ながら、アスベストレベル3対応のフレコンバッグの使用を普及させることで貢献したいと決心しています。
我が社のフレコンの最大の特徴は、長尺物の石綿含有建材を砕かずに詰め込みかつ運搬できる点にあります。
次回から、各論をそれぞれ簡単にご紹介いたします。

 

アスベスト・レベル3規制強化!

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日テレNEWS24の「阪神大震災25年”震災アスベスト”の脅威」を観ると、アスベストによる被害がまだまだ今後も続くことが予想されます。
アスベスト被害に遭われた本人とご家族にとっては、毎日が「静かな爆弾」を抱えた生活でしょう。
いつ破裂するか分からない「爆弾」を抱えています。
私たちの今後の課題は、今後も続くアスベストを含む建造物の解体に際して、もう二度とアスベスト災害に遭わないように食い止めることができるかということではないでしょうか?
そんな決意を込めた政府側の発信が令和2年1月の「今後の石綿飛散防止の在り方について(答申)」です。

引き続き内容を読み解くことにします。
平成25年の法改正後、中央環境審議会での引き続き検討するとされた内容は下記の4点です。
①特定建築材料以外の石綿含有建材の除去等の際の石綿飛散防止対策
特定建築材料とは、「吹付け石綿」「石綿を含有する断熱材」「石綿を含有する保温材」「石綿を含有する耐火被覆材」の4種類です。
これらに該当しない石綿含有成形板等(いわゆるレベル3)は、特定建築材料とはなっていません。
このレベル3の成形板なども、飛散防止対策を検討する必要がある!
②事前調査の信頼性の確保
そもそも、解体の対象にアスベストが含まれているのかどうか?
それを調査しなければならないし、調査する人の信頼性をどうやって確保するのか?
石綿除去後の完了検査
施工業者が適正に除去作業や飛散防止対策を実施する仕組みづくり。
当然完了検査の第三者自治体または民間機関)が必要になってきますが、これは「将来の課題」とされています。
④大気濃度測定の義務付け
えっ!義務じゃなかったの?
解体する作業員の方々だけでなく、近隣住民や廃棄処理場まで運搬する道路周辺への影響も無視できないような気がしますが…。

約280万棟の建物にアスベストが残っている!!

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現在、約280万棟の建物にアスベストが残っていると言われています。
これらの建物は、これから解体されるのを待っているわけです。
アスベスト全面使用禁止により、新たな被害の拡大は防ぐことが出来そうですが、解体に伴うアスベスト飛散により体内に入っていくリスクは、むしろこれからの課題ではないでしょうか?
安価で便利だという理由で使用し続けたアスベストという負の遺産
我が国全体で考えるべき課題なのではないでしょうか?
日テレNEWS24の「阪神大震災25年”震災アスベスト”の脅威」を観ると、アスベストによる被害がまだまだ今後も続くことが予想されます。
アスベスト被害に遭われた本人とご家族にとっては、毎日が「静かな爆弾」を抱えた生活でしょう。
いつ破裂するか分からない「爆弾」を抱えています。
私たちの今後の課題は、今後も続くアスベストを含む建造物の解体に際して、もう二度とアスベスト災害に遭わないように食い止めることができるかということではないでしょうか?
そんな決意を込めた政府側の発信が令和2年1月の「今後の石綿飛散防止の在り方について(答申)」です。
引き続き内容を読み解くことにします。

 

阪神大震災25年”震災アスベスト”の脅威

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そんな中、令和2年1月16日の日テレNEWS24で「阪神大震災25年”震災アスベスト”の脅威」という特集が組まれました。
令和2年1月16日の日テレNEWS24で「阪神大震災25年”震災アスベスト”の脅威」という特集の内容は衝撃的であり、アスベスト禍が決して過去の話ではないことを突き付けられました。
阪神大震災が発生した時、明石市の職員だった方が49歳で亡くなりました。

死因はガンの一種である中皮腫でした。
2012年に発症してからわずか1年後のことでした。
奥様の「(病気が)分かったら、あっ!という間に死んでしまった…」という告白はとても辛いものがありました。
一粒種のお子様と楽し気に遊んでいるビデオ録画を見ると、私自身64歳という年のせいか涙が止まりません。
彼は震災発生時、あちこちのガレキ撤去に奔走しました。
震災復興25年を祝う祭典の陰で、彼のように無念のまま亡くなった方が一体どれだけいらっしゃることでしょうか?
ちなみに2017年の死者は1555人と過去最悪を更新しました。
10年後には2倍から3倍になるとの指摘があります。
アスベストが「静かな爆弾」と呼ばれる所以です。
大震災でガレキの撤去に携わった方は、なにも地元の人ばかりではありません。
全国から警察・消防・自衛隊の方々が駆けつけました。
25年経った今、更なる被害の拡大が懸念されます。
被害を繰り返さない早急な対策が求められています。

 

 

 

答申① これまでの経緯

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今回は「これまでの経緯」です。
まず「大気汚染防止法」という法律があります。略して「大防法」です。
昭和43年に発布されました。私、中学1年生でした。
公害という文字が新聞紙上やニュースで流れていました。
北九州市八幡区に住んでいましたので、八幡製鉄新日本製鉄を経て現在は日本製鉄)の溶鉱炉の煙突からあふれ出る煙が町の誇りでした。
しかし、当時からそろそろぜんそくなどの公害が住民に迫っていました。
そのような時代背景により大防法が施行されました。
平成元年の大防法の改正により、石綿アスベスト)が人の健康に係る被害を生ずるおそれのある粉じん(特定粉じん)として位置づけられました。
さらに平成7年の阪神・淡路大震災により、倒壊したビルの解体工事に伴って石綿が飛散する問題を受け、建築物の解体等(特定粉じん排出等作業)に対する規制が翌年に導入されました。
その後も数次の改正を経て、平成25年の法改正により、下記により石綿の飛散防止対策が強化されました。
①特定粉じん排出等作業の実施の届出義務者を施工者から発注者へ変更しました。
②施工者に対して、石綿含有建材の使用状況の事前調査を義務付けました。
都道府県等による立入検査の対象範囲が拡大されました。
石綿すなわちアスベスト自体は、平成18年9月1日から「石綿及び石綿をその重量の0.1%を超えて含有するすべての物の 製造、輸入、譲渡、提供、使用が禁止されています」(労働安全衛生法施行令の改正)が、問題は既にアスベストを使用していた建造物を解体する時の「飛散」をいかに処理するかということに集中することになりました。
そこで、上記の平成25年の法改正後も、中央環境審議会で引き続き検討をすることになりました。
検討結果の取りまとめとして、令和元年11月に「今後の石綿飛散防止の在り方について(答申案)」が発信され、パブリックコメントを募集した後、令和2年1月に答申がまとめられました。

今後の石綿飛散防止の在り方について(答申)

アスベストの怖さは体内に入って数十年の時を経てから発症することだと言われています。
石綿健康被害救済法に基づく医学的判定の状況(令和2年2月4日発表)によると、これまでに石綿被害ではないかとされた判定件数は12,293件に上っており、このうち、石綿を吸入することにより指定疾病にかかったと判定されたものは9,852件となっています。
1万人近い方々が、アスベストによって中皮腫(8,042件)や肺がん(1,626件)などに罹ったと判定されています。
今後も発症する人が増加していくのではないかと考えられます。
なかなか因果関係が認められにくく、個人で戦うのが難しいので、専門的な弁護士事務所がテレビ等で広くPR活動を行っていることは周知となっています。

アスベストの使用が全面禁止されましたから、今後新たにアスベスト被害者が出ないのではないか?
そんなことはありません!
構造物は永遠に使用できるものではありません。
当然いつかの時点では解体され廃棄されなければなりません。
解体される時には、アスベストが飛散しないのだろうか?
当然の疑問ですが、もちろん飛散するでしょうし、不用意に施工すれば新設時と同様に吸い込むことになります。
令和2年1月に「今後の石綿飛散防止の在り方について(答申)」というものが発信されました。
発信元は、中央環境審議会大気・騒音振動部会石綿飛散防止小委員会です。
監督官庁環境省です。
そう、小泉進次郎氏が大臣になり、一躍注目を集めている官庁です。
この答申内容について、以降、簡単にまとめてみたいと思います。

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