前回は、データはともかく、特定建築材料以外の石綿含有建材(レベル3)を除去する際に、除去現場そのものだけでなく、敷地境界(つまり現場以外)においても石綿が飛散している。だから厚労省だけでなく、環境省も規制強化に乗り出す必要がある。
というところまででした。
本日は「では、大気汚染防止法(大防法)には、どう位置付けるの?」ということです。
意見①レベル3に関しても、大防法第18条の15の届出を義務付けて、当該届出情報は開示すべきである。
意見②届出の義務付け見送りの理由として「レベル3建材の届出は都道府県等の負担が大きくなることが想定される。」としているが、条例等で実施している自治体もあることから、その経験やシステムを踏まえて全国一律の制度へと展開すべき。 (実際、地方自治体でも条例でやっている所が多いんだから、そのノウハウを参考にして、全国一律にするべき!)
意見③対象工事件数の増加により都道府県等の確認業務の大幅な増加が想定され、さらに、各自治体による届出の確認終了までの期間が延びることで、工事着工の大幅な遅れや作業期間延長といった実務的な影響が生じ、かえって実効ある石綿飛散防止対策の実現を妨げることとならないよう留意する必要があるため、大気汚染防止法における全国一律の制度とはしない方向について賛同する。(手間が大変になるから、全国一律の届出とはしない方がいいのでは?)
⇒レベル3は、現行の特定建築材料に比べて相対的に飛散性が低いことから、レベル1,2の除去等作業ほどの専門的な機器等を使用する措置までは要せず、丁寧に作業を行うことで石綿の飛散を抑えられることが確認されています。
また、各自治体では条例によりレベル3の届出を義務付けている例もある。
しかも、届出を義務付けた場合は、件数が現行の5~20倍となることが想定されること、また、多くの一般住宅が届出の対象となると考えられることから、都道府県等や発注者の負担を考慮する必要があると考えています。
これらを踏まえ、届出の義務までは求めないこととしています。
適正な飛散防止については、事前調査の結果の都道府県等への報告により、解体等工事の現場を把握し、立入検査等により作業の状況を確認することで担保していくべきと考えています。(だから、大丈夫です!との回答)
意見④それにしても、レベル3まで規制対象となると、工事件数が増大して地方自治体の事務量が相当量増加する見込みである。このことから、効率的に立入検査を実施できるよう、特に確認すべき建築物等の目安等を提示する等、自治体において適切に運用できる環境が整えられるよう配慮すべき。
意見⑤自治体の負担増をどのように考えているのか?
⇒都道府県等においては、現在も地域の実情に応じ、他法令に基づく届出等の情 報の共有により、立入検査等を実施しているところです。
こうした取組は大気汚染防止法に基づく規制を円滑に実施するため 有効であり、引き続き、他法令を所管する部局の負担も考慮しつつ、地域の実情を踏まえて推進していくべきと考えています。
また、事前調査結果の都道府県等への報告についても、効果的・効率的に立入検 査対象の選定・実施に資するものと考えています。
双方の情報を活用し、不適切な作業が行われていないか現場を確認し、指導することが重要と考えています。 (え~っと、負担増の件は…?)
意見⑥都道府県等が立入検査で確認することが目的であるならば、作業計画の 策定だけでなく、現場での保管についても義務付けるべきである。
意見⑦レベル3までを対象とした場合、一軒家の住居の解体工事も含まれる可能性があり、全てを把握するのが困難であると思われるため、どのように把握していくか調査の方法を明文化する必要がある。
全体を通して、
⇒レベル3の除去等作業の把握に当たっては、事前調査結果を都道府県等へ報告させること等により、当該情報を活用することが考えられます。
併せて、解体等工事に携わる事業者や建築物の所有者等への普及啓発に努めることにより、適切な飛散防止措置の担保を図ることが重要と考えています。
要するに、今後普及啓発に努めていきますし、自治体がこれまでの条例による取組みをしてくれていますので、大防法第18条の15の届出までは義務付けなくてもいいのでは…ということです。