道路施設におけるアスベスト対策

平成17年12月ですから、今から15年前に、国交省の道路施設アスベスト対策検討委員会から『道路施設におけるアスベスト対策について』という報告書が作成されました。

「道路施設においてもアスベストの使用実態を適切に把握し、アスベストの使用が確認された場合に適切に対応するため、本委員会において、アスベスト使用実態の調査方法、アスベストが使用されている場合の措置方法について検討を行ってきた。本報告書は、現時点で得られた道路関連施設におけるアスベストの使用に関する情報、およびそれを踏まえた今後の対応方針として、道路関連施設の維持・管理において必要なアスベスト飛散防止対策・ばく露防止対策をとりまとめたものである」とのこと。

 

調査の結果、アスベスト・レベル3がどの部分に使用されていたかが下表にまとめられています。

 

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この時点ではアスベスト・レベル3は非飛散性として扱われています。

そのため解体・撤去・処理の際の留意事項は次のようになっています。

 

◆解体・撤去・処理の際の留意事項

(関連法規の規定)

<解体・撤去時> 石綿障害予防規則を遵守。

  1. 撤去時、十分な湿潤化
  2. 原則として人力作業による取り外し
  3. 切断は最小限に
  4. 他の廃棄物との分別
  5. 保管時は、非飛散性アスベストであることを表示
  6. 作業員は保護マスク、保護衣を使用

 <処理時> 廃棄物処理法、「非飛散性アスベスト廃棄物の取扱いに関する技術指針(H17.3.30環境省)」の遵守。

  1. 石綿スレート等は産業廃棄物「建設廃材、ガラスくず及び陶磁器くず」、「がれき類」として処理。
  2. 産業廃棄物の許可業者(収集運搬、処分)に処理委託
  3. 搬出車両は飛散防止のためにシートを掛ける
  4. 原則として破砕せず安定型最終処分場に直接埋め立てる

 

この処理内容が、今年の石綿則の改正では、次のようになりました。

 

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道路施設におけるアスベスト対策についても、今回の石綿則の改正により、アスベスト・レベル3のスレート板などの解体に当たって、「原形のまま」が法制化されました。

「切断は最小限」にでは済まなくなりそうです。

その後、東日本大震災や熊本大震災を経て、アスベスト・レベル3も解体時に飛散することが分かり、先述した平成29年6月9日の厚労省の通達に至るわけです。

再録します。

  1. 石綿を含む製剤その他のもの」は、建物から除去する時はもとより、除去してから廃棄するまでのばく露防止も重要だ。
  2. 労働者のばく露が大きくならないよう、フレコンバッグで包装するために細かく破砕しないように
  3. 破断せずに運搬できるよう、成形板に適した大きさのフレコンバッグによる包装を行うこと