神戸市では市営住宅の解体工事で石綿の見落としがあったことが指摘され、解体工事の着工が延期されました。
神戸市は、アスベストの事前調査の結果、建物に使用されているアスベストは飛散の可能性の低いレベル3のみで、飛散防止策を講じながら除去するとし、住民説明会を10月25日に開催すると説明していたが、兵庫県保険医協会が神戸市の情報公開請求で設計図書を入手し、民間団体「中皮腫・じん肺・アスベストセンター」(東京)に分析を依頼した結果、電気室では吹き付け石綿が使用されている可能性が高いと判断したとのこと。
兵庫県保険医協会では、下のような内容の文書をホームページ上に掲載しており、住民による監視に努めるよう呼び掛けています。
内容は以下の通り。
「建物の解体工事における不適切な対応によりアスベストが飛散し、住民の健康が危険にさらされる例が全国で相次いでいる。
このアスベスト飛散を防止するには、何よりも正確な事前調査が重要となる。
解体に着手する前に事業主が調査して、役所に届けることになっているが、当然、両者には適切さや公正さが求められる。
法や条例は性善説を前提にしているが、世の中そんなに甘くはなく、残念ながらずさんな工事が横行している。
アスベスト除去には多額の費用が掛かるため、これを隠そうとすることは何も不思議ではない。
すなわち、事業主による過少申告を、役所や住民はどのように見破るかが問題となる。
事業主の過少申告「アスベスト隠し」に対して、役所は届けられた場所だけ、アスベストが適切に除去されたかを確認するが、それ以外のアスベストの有無までを調べる責務は負っていないと主張する。
すなわち、「アスベスト隠し」はすべて事業主の責任であるとするお役所の論理である。(中略)
本年6月に大気汚染防止法が改正されて、事前調査は資格を有する者が行うということがやっと加えられた。
しかし、工事中のアスベスト濃度測定や除去後の完了検査は、関係者らの強い求めにも関わらず、またもやスルーされた。
役所や事業主から独立した第三者機関によるこれらの検査は、誰もが常識と考えるがその実現はまだまだ遠い。
住民としては、身近な工事現場に監視の目を注ぎつつ、役所に対しても情報公開を求めるなど権限不行使をチェックすることが重要だ。
大変だが、役所・事業主の意識が変わるよう、積極的な働きかけが必要だ。」
この事例は、電気室でのレベル1の吹き付けの見落としですので、故意か否かは別にしても由々しき問題ですが、気になるのは、「神戸市は、アスベストの事前調査の結果、建物に使用されているアスベストは飛散の可能性の低いレベル3のみで、飛散防止策を講じながら除去する」という箇所です。
今回の大防法改正のきっかけが、数度の震災を経験した結果、レベル3の石綿含有建材も解体手段によっては、飛散の可能性が高いということが共通認識になったことでした。
今後、益々、近隣住民の注視の目が注がれると思います。
建物から手ばらしで除去した成形板も、フレコンバッグに容れる際に破断していたのでは元も子もないです。
是非、当社のロングタイプを一度お試しください。