新年も11日になりました。
まだ新年のご挨拶をしておりませんでした。
関西では、松の内は1月15日までが一般的です。
本日、弊社では鏡開きを致しますので、本日をもって松の内の終わりとさせていただきます。
ということで、あらためまして今年のサポート室のブログについて簡単な説明をさせていただきます。
昨年の4月1日に改正大防法・石綿則が施行されました。
解体業を営む方々や関連の皆さまの負担が大きくなっているのではないかと案じております。
今後も年々様々な規制がスタートする予定です。
弊社では、出来る限り行政機関の規制の動きを、このブログを通じてお伝えしたいと思いますので、引き続きご愛読方お願い致します。
まずは、石綿に対する規制の概要について簡単に振り返ります。
この表は、労働災害によって亡くなった方々のデータです。毎年減少傾向にありますが、1年間に800人を超える方々が亡くなっています。
この表は、中皮腫で亡くなった方々のデータです。
こちらの方は、毎年増えていって、最近では一年間で1500人を超えています。
先ほどの労災事故による死亡者の倍近くの方々が「中皮腫」を原因として亡くなっています。
中皮細胞とは肺や心臓などの臓器をおおっている膜(まく)のようなものですが、この細胞に生じた悪性疾患が中皮腫で「がん」の一種です。
先ほどの表にあったように、この中皮腫による死亡者が年間1500人を超えており、20年前の500人の3倍になっています。
この中皮腫の原因の一つがアスベストで、悪性中皮腫の患者の8割程度がアスベストを吸ったためだと言われています。
やっかいなのは、中皮腫はアスベストを吸ってから30年から40年かかって発症するということと、アスベストを吸う場所で働いていた人だけでなく、その家族や工場や現場の周辺に住んでいた人にも発症するということです。
アスベストの輸入量は1960年代から増加し始め、1974年(昭和49年)にピークを迎えました。
潜伏期間が平均40年ですから、2000年を超えたあたりから、中皮腫で亡くなる方が急増しています。
アスベスト訴訟で2021年5月に最高裁は国や建材メーカーの責任を認める判決を下しました。
2006年にアスベストは全面禁止されましたが、国内にはアスベストを使った建材が大量に残っています。
これからも建物の解体工事はまずます増加していくので、解体工事の現場で飛散したアスベストを吸う可能性があります。
アスベストが使用された民間建築物は全国に約280万棟あると言われています。
解体工事のピークは2030年頃で、完全に無くなるのは2055年頃と言われています。
国の試算では、今後、補償対象となるアスベスト被害者が3万1千人に上るとされています。
今回、訴訟を起こしていない被害者を補償するための基金を創設する法案が作られました。
その結果、補償金の総額は約4千億円という膨大な数字になる見込みです。(続く)