大防法・石綿則改正に関するマニュアルの解説⑪

4.建築物等の解体等における飛散防止対策(最終)

 

産廃処理時の留意事項≫

 

石綿則第32条第1項及び第2項に基づき、建築物等から除去した石綿等については、その後の運搬、貯蔵等の際に、綿繊維が発散するおそれがないよう、堅固な容器を使用し、又は確実な包装を行い、個々の容器又は包装等の見やすい箇所に石綿等が入っていること及びその取扱い上の注意事項を表示しなければならなりません

 

また、その保管は、石綿則第32条第3項に基づき、一定の場所を定めておかなければならなりません。

貯蔵(保管)時には大きな包装にまとめている場合であっても、運搬時に大きな包装から取り出し、小分けの包装により運ぶのであれば、他の産業廃棄物と混在せずに貯蔵から運搬まで一貫して他の産業廃棄物と区分できるよう、小分けの包装ごとに表示が必要です。

なお、石綿等が入っていること及びその取り扱い上の注意事項の表示については、表示用の専用テープが市販されている。(当社でも表示ラベルを販売しています!)

 

除去した石綿含有成形板等を廃棄する際は、廃材を出来るだけ破砕することなく原形に近い大きさで運搬できるよう、十分な大きさのフレキシブルコンテナバッグや車両を用意する。

なお、成形板の定型の大きさのものをそのまま梱包できるよう、図のような大きさのフレコンが市販されています

 

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この市販されているフレコンが当社のロングタイプのフレコンバッグです。

 

 

大防法・石綿則改正に関するマニュアルの解説⑩

4.建築物等の解体等における飛散防止対策(続き)

 

⑤除去作業の事後処理における留意事項

 

◆清掃、その他の処理

 

・取り外した材料は原則として湿潤化する。

原形のまま取り外した材料は、原則として切断や破砕は行わず、原形のまま取り扱います。除去時にやむを得ず切断等をした場合も、それ以上の切断等は行わないようにします。

・粉砕された石綿含有成形板は飛散させないよう湿らせたおが屑等とともにはき集めます。

・粉じんの飛散が多い場合は、エアレススプレイヤや噴霧器により水又は薬液を散布することが望ましく、その後、高性能真空掃除機にて清掃を行います。

・防音シートや防音パネルに付着した石綿を含む汚れを濡れ雑巾や高性能真空掃除機にて十分に取り除いたあと、場外へ搬出します。

・作業床(足場)等の仮設機材についても、濡れ雑巾や高性能真空掃除機等で十分に粉じん等の汚れを取り除いたあと解体し、場外へ持ち出します。

 

場外へ運搬するまで現場に保管する場合は一定の保管場所を定め、他の産業廃棄物と分別して保管し、シート等で覆う等飛散防止の措置を行います。

また、保管場所には、○○廃棄物保管所であることの表示を行うこと。(〇〇は暫定)

運搬車両は荷台全体をシート等で覆い、粉じんの飛散を防止するとともに、石綿等が入っていること及びその取り扱い上の注意事項の表示を下記に示すテープ等で行います。

運搬の際にプラスチック袋が破損した場合には湿潤化する等飛散防止策を講じながら、新しい袋で梱包します。

大防法・石綿則改正に関するマニュアルの解説⑨

4.建築物等の解体等における飛散防止対策(続き)

 

石綿含有成形板等の除去作業における留意事項

 

破砕の原則

 

石綿含有成形板等は、種類・形状も多様で一部を除き見掛け密度が概ね0.5g/cm3 以上の硬い材料がほとんどであり、通常そのままの状態では石綿繊維が飛散するものではありません。

しかし、切断や破砕により石綿等の粉じんが発散することから、出来る限り切断や破砕等を行わないよう、原形のまま取り外すことが原則です

一方、石綿含有成形板等を原形のまま取り外すことが技術上著しく困難な場合は、湿潤化や隔離養生(負圧不要)を行いながら除去を行う必要があります。

技術上著しく困難な場合とは、石綿含有成形板等や固定具が劣化している場合、当該材料が下地材等と接着材で固定されており、切断等を行わずに除去することが困難な場合や、当該材料が大きく切断等を行わずに手作業で取り外すことが困難な場合等、物理的に困難な場合や、除去する石綿含有成形板等や作業場の状況等によって切断等せざるを得ない場合をいいます。

原形のまま取り外すことが困難であり、バール等による破砕や電動工具等による切断を行う際は、十分に散水等すると共に、必要に応じて隔離養生(負圧不要)、養生及び高性能真空掃除機等で粉じんを吸引することが必要です。

ただし、けい酸カルシウム板第1種を切断等により除去する場合は、散水等に加えて隔離養生(負圧不要)も必要となります。

原形のまま取り外す場合においても、取り外しに当たって建材の大きな割れや破損による石綿繊維の飛散が想定される場合は、必要に応じて湿潤化や隔離養生(負圧不要)、局所集じん機の使用等の措置を講ずることが望ましい。

原形のまま取り外した材料は、切断や破砕は行わず、原形のまま運搬し廃棄する必要があります。

除去時にやむを得ず切断等をした場合も、それ以上の切断等は行わず、そのまま運搬し、廃棄する。

大防法・石綿則改正に関するマニュアルの解説⑧

4.建築物等の解体等における飛散防止対策(続き)

 

石綿含有成形板等の除去作業手順

 

石綿含有成形板等を原形のまま取り外して除去する場合の作業手順を下図に示します。(ちょっと見にくいですね)

 

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上図の黄色いマーカーの部分が、解体後の廃棄物の処理方法ですが、まだ最終的な調整がついていないように思われます。

大防法・石綿則改正に関するマニュアルの解説⑦

4.建築物等の解体等における飛散防止対策(続き)

 

②大防法及び石綿則における石綿含有成形板等の除去に係る措置

 

石綿含有成形板等の除去作業においては、新たに大防法における作業基準の遵守及び石綿則による除去に係る措置が求められています。

石綿含有成形板等を除去する際は、原則として切断等を行わず、原形のまま取り外す必要があります

 

原形のまま取り外すとは、ボルトや釘等を撤去し、手作業で取り外すことです。

ただし、現場の状況等により原形のまま取り外すことが困難で、切断等を伴う除去を行う場合は、湿潤化を行った上で除去を行います。

この場合の湿潤化は、作業前に散水等により対象となる材料を一度湿潤な状態にすることだけではなく、切断面等への散水等の措置を講じながら作業を行うことにより、湿潤な状態を保つ必要があります。

 

現場の状況等により、湿潤化を行うことが著しく困難な場合は、十分な集じん性能を有する電動工具を使用することや隔離養生(負圧不要)を行うことにより、飛散防止措置を実施することが必要です。

 

石綿含有成形板等のうち、けい酸カルシウム板第1種については、他の成形板等に比べ破砕時の石綿繊維の飛散性が高いことが確認されていることから、切断等を伴う作業においては作業前及び作業中の湿潤化に加えて隔離養生(負圧不要)が求められます。

 

けい酸カルシウム板は第1種と第2種の2種類に分類され、主にかさ比重(内部に空隙をもつ固体の比重)によって分けられています。

けい酸カルシウム板第1種は石綿含有成形板等に、けい酸カルシウム板第2種は石綿含有保温材等に区分されるため、適用される作業基準が異なることに注意が必要です。

大防法・石綿則改正に関するマニュアルの解説⑥

3.用語の定義(略)

4.建築物等の解体等における飛散防止対策

石綿含有成形板等の除去における飛散及び漏えい防止の考え方

 石綿含有成形板等(石綿含有成形板及び工作物に使われている石綿含有建材・製品)は、建築物等の解体等工事時の石綿除去等作業において、適切な飛散防止措置が行われない場合には、作業現場周辺の大気中に石綿が飛散するおそれがあることから、令和2(2020)年5月の大防法の改正(令和3(2021)年4月施行)により特定建築材料に加えられ、同法に基づく周辺環境への石綿飛散防止方策の実施が必要となりました。

 また、令和2(2020)年7月の石綿則の改正においても同様に石綿含有成形板等の除去に係る措置が定められ、令和2(2020)年10月に一足先に施行されました。

その他廃棄物処理法等による石綿の飛散防止対策を遵守する必要があります。

 石綿含有成形板等に係る具体的な措置としては、建築物等の解体等時には石綿含有建材の有無を調べる事前調査において石綿含有成形板等についても調査しなければならなくなりました。

 石綿を0.1重量%超えて含有する場合は、石綿含有成形板等として除去を行い、廃棄物処理法に基づいて〇〇として適正に処理する必要があります。(〇〇は暫定の意味)

 石綿含有成形板等の解体等工事における大防法による作業の規制基準として、作業計画書の作成、作業基準の遵守、各種掲示・表示、作業完了の確認、作業状況の記録・保存、事業発注者への説明等があります。

 なお、大防法第18条の17及び石綿則第5条に基づく作業の実施の届出は不要ですが、自治体によっては条例等に基づき届出が必要な場合があるため、作業に際しては事前の確認が必要です。

 また石綿則による作業に係る規制事項として、作業計画書の作成及び作業者への周知、立入禁止、石綿作業主任者の選任、保護具の使用、各種掲示・表示(一部は安衛則、通達)、計画された作業手順の遵守、記録の作成・保存等があり、作業者は全員が石綿特別教育(石綿使用建築物等解体等業務特別教育)を受講している必要があります。

 また、立入禁止措置については、作業場を離れる時や帰宅する時においても作業場へ関係者以外が立ち入らないように封鎖をします。

 石綿則では、なかなか厳しい措置が規定されていますね。

大防法・石綿則改正に関するマニュアルの解説⑤

2.関係法令の解説(続き)

 

労働安全衛生法(安衛法)及び石綿障害予防規則(石綿則)

 

安衛法は、職場における労働者の安全と健康の確保及び快適な職場環境の形成の促進を目的とする法律です。

石綿則は、石綿による健康障害予防対策の一層の推進のため、建築物等の解体等作業における石綿ばく露防止対策等についての基準を示した厚生労働省令(これも法律の一種)です。

石綿による健康障害の予防については、従来、特定化学物質等障害予防規則に定められていましたが、増加する建築物等の解体等の作業における石綿による健康障害の予防対策の推進を一層図るため、平成17(2005)年7月1日より分離され、単独の規則として制定されました。

この石綿則においても、アスベスト除去工事の作業基準が定められていますが、ここでも、今回特定建築材料になったアスベストレベル3の作業基準を記します。

 

  • 成形された材料であって石綿等が使用されているもの(石綿含有成形品)を建築物、工作物又は船舶から除去する作業においては、切断等以外の方により当該作業を実施しなければならない。
    ただし、切断等以外の方法により当該作業を実施することが技術上困難なときは、この限りでない。

 

先の大防法では「切断、破砕等することなくそのまま建築物等から取り外すことで当該建築材料を除去する」となっていました。

表現は違っていますが、内容はまったく同じですね。

 

廃棄物の処理及び清掃に関する法律

 

建築物の解体等から排出される石綿含有産業廃棄物及び特別管理産業廃棄物に指定された廃石綿等について、その分別、保管、収集、運搬、処分等を適正に行うため必要な処理基準等が定められています。

※この箇所は、今回のマニュアルでは、黄色のマーカーがなされています。【暫定版】ということで、今後廃棄物処理法との調整がなされるものと思います。

今回、何故、廃棄に関してマニュアルが間に合わなかったのか?ということは非常に興味深いですね。理由が判明次第、当ブログでお伝えしたいと思います。

 

④建設リサイクル法

 

事前に吹付け石綿その他の対象建築物等に用いられた特定建設資材に付着したもの(以下「付着物」という。)の有無の調査を行い、その調査結果に基づき分別解体等の計画を作成し、付着物の除去その他の工事着手前における特定建設資材に係る分別解体等の適正な実施を確保するための措置を講ずることが定められています。

 

建築基準法

 

建築基準法では、吹付け石綿石綿含有吹付けロックウール(以下「吹付け石綿等」という。)の建築物及び建築基準法に定める工作物への使用が禁止されています。

それに伴い、吹付け石綿等が使用されている建物は既存不適格建築物(注)となり、改修時等の措置が義務付けられています。

また、「封じ込め」、「囲い込み」の基準が告示で明確に示されています。

 

(注)建築基準法では、既存の適法な建築物が法令の改正等により違反建築物とならないよう、新たな規定の施行時又は都市計画変更等による新たな規定の適用時に現に存する又は工事中の建築物については、新たに施行又は適用された規定のうち適合していないものについては適用を除外することとし、原則として、増改築等を実施する機会に当該規定に適合させることとしています。

この新たな規定の施行又は適用により、不適合になった既存建築物を既存不適格建築物といいます。