滋賀県のホームページには、法令改正に関するQ&A集が掲示されています。
参考になりますので転載します。
1.一般事項
Q1 令和3年4月1日から何が変わったのか。
A1 令和3年4月1日からは、石綿含有建材は、吹付石綿(レベル1建材)、石綿含有断熱材や保温材 (レベル2建材)に加えて、石綿含有成形板等(レベル3建材)を含む全ての石綿含有建材が対象となりました。
レベル3建材が使用された建築物や工作物を解体し、改造し、または補修する作業(解体等 工事)などを行う際、薬剤などで湿潤化するなど石綿が飛散しないようするための作業基準の遵守義務などが課せられました。
また、従前から規定されている、解体工事等を行う際、石綿含有の有無を確認する事前調査について の方法が法定化されました。
なお、レベル1建材およびレベル2建材を除去する作業については、届出対象特定工事(今回の法改正で名称変更)に該当し、従前から県(又は大津市)に届出が必要です。
レベル3建材を除去する作業についての届出は不要ですが、作業基準を順守する必要があります。
Q2 令和4年4月1日からは、何が変わるのか。
A2 一定規模以上の解体等工事※について、事前調査の結果を行政(県(大津市)、労働基準監督署)に 報告する義務が課されます(事前調査については、Q16~Q34 もご参照ください)。
なお、事前調査結果は原則として、国が整備した石綿事前調査結果報告システムにより報告する必要があり、同システムを利用することにより、石綿則と大防法に基づく報告を同時に行うことができます。
お手持ちのパソコンやケータイ電話等からインターネットを介して24時間報告が可能です (やむを得ず紙面で提出される場合は各窓口へ個別に報告いただく必要があります)。
石綿事前調査結果報告システムを利用するためには、事前に国が所管する法人・個人事業主向け認証 システム(gBizID)への登録が別途必要になります。
一定規模以上の工事とは、次の①~③のいずれかに該当するものです。
①床面積80m2以上の解体工事
②請負金額 100万円以上の改修工事
③請負金額100万円以上の特定工作物の解体・改修工事
Q3 令和5年10月1日からは、何が変わるのか。
A3 有資格者による事前調査の実施が義務化されます。
有資格者とは、特定建築物石綿含有建材調査者、一般建築物石綿含有建材調査者、一戸建て等石綿含有建材調査者、施行日以前に(一財)日本アスベスト調査診断協会に登録された者(調査実施時点において引き続き登録されていること)とされています。
※石綿作業主任者は含まれていません。
建築物石綿含有建材調査者の資格は、国(厚生労働省)に登録された建築物石綿含有建材調査者講習実施機関※が行う講習を受講して、試験に合格すると取得できます。
Q4 建築物とは何か。
A4 「建築物」とは、全ての建築物をいい、建築物に設けるガス若しくは電気の供給、給水、排水、換 気、暖房、冷房、排煙又は汚水処理の設備等の建築設備を含むものであることとされています。(施行通 知第3の1(1)参照)
Q5 工作物とは何か。
A5 「工作物」とは、「建築物」以外のものであって、土地、建築物又は工作物に設置されているもの又は設置されていたものの全てをいい、例えば、煙突、サイロ、鉄骨架構、上下水道管等の地下埋設物、化学プラント等、建築物内に設置されたボイラー、非常用発電設備、エレベーター、エスカレータ-等 又は製造若しくは発電等に関連する反応槽、貯蔵設備、発電設備、焼却設備等及びこれらの間を接続する配管等の設備等があることとされています。
なお、建築物内に設置されたエレベーターについては、かご等は工作物であるが、昇降路の壁面は建築物であることとされています。 (施行通知第3の1(1)に定義が記載されています。)
Q6 建築物等とは何か。
A6 建築物および工作物になります。
Q7 解体等工事とは何か。
A7 建築物等を解体し、改造し、又は補修する作業を伴う建設工事のことになります。
Q8 石綿(アスベスト)が含有している建材かどうかを知りたい。
A8 建材を製造した会社名と認定番号等が判明しているのであれば、石綿(アスベスト)含有建材デー タベース(https://WWW.asbestos-database.jp)などを活用いただきたい。
ただし、すべての製品を網羅している訳ではないので、データベースに無いからと言って石綿が含有されていないとは限りません。
現実的には分析が必要なことが多いです。
分析などにより確認する場合は、専門業者に調査を依頼してください。
※専門業者:(公社)日本作業環境測定協会や(一社)日本環境測定分析協会等のHPを参照
Q9 石綿含有建材はどのような場所に使用されているのか。
A9 耐火、断熱、防音、吸音などを要求される部位(軒天、キッチン、風呂(タイル張りの下地)など) に使用されていることが多いと言われています。
Q10 直接罰が適用されると聞いたが、どのような場合か。
A10 届出対象特定工事において、行わなければならない措置及びその方法の義務(法第18条の 19)に 違反した場合に適用される場合があります。
令和4年4月1日以降は、一定規模以上の解体等工事において、事前調査結果の報告をせず、又は虚偽の報告をした場合にも罰則が適用されます。
2.石綿含有仕上塗剤について
Q11 石綿含有仕上塗材は、届出不要で良いか。
A11 令和3年4月1日から、これまでレベル1建材として取り扱われていた吹付け石綿含有仕上塗材の 多くは、レベル3扱いとなり、届出が不要となりました。
※石綿含有仕上塗材を除去する際には、石綿含有成形板等とは異なる作業基準が適用(施行規則別表第 7第3項参照)。
Q12 法改正後も届出が必要な石綿含有仕上塗材は何か。
A12 石綿含有吹付パーライト、石綿含有吹付バーミキュライト(ひる石)が含まれる仕上塗材は、法改 正前と変わらず吹付石綿(レベル1建材)として届出が必要です。 (吹付バーミキュライトは、壁や天井の吸音・断熱材、打ちっ放しコンクリート(型枠にコンクリー トを流し込み固化させた手を加えない状態のもの)の化粧材に使用されていること、吹付パーライ トは、壁や天井の吸音・断熱材に使用されていることが多いという情報があります。)
Q13 石綿含有下地調整材は届出不要(レベル3建材)か。
A13 届出不要です。従前より、石綿含有成形板等(レベル3)として扱っています。 (JIS 規格の分類(JIS A 6916)で判断)
3.石綿含有ケイ酸カルシウム板第1種について
Q14 石綿含有ケイ酸カルシウム板第1種は、レベル3であるが厳しい作業基準が適用されるのか。
A14 特定粉じんを比較的多量に発生し、又は飛散させる原因となるものとして環境大臣が定めるもの※1に該当し、石綿含有成形板等のうち、より厳しい作業基準が適用されます※2(施行規則別表第7第4 項ハ)。
※1:令和2年 10 月7日付け環境省告示第 78 号 ※2:石綿障害予防規則では令和2年10月1日より施行されています。
Q15 石綿含有ケイ酸カルシウム板第1種の作業基準の“事前の養生”は、密閉が必要か。
A15 密閉までは求めない(集じん排気装置の設置は求めない)とされています。
(続く)