解体工事に関わる方々にとってショッキングなニュースが飛び込んできました。
「アスベストを含んだ産業廃棄物を井戸の跡地に不法に投棄したとして解体業者の2人が逮捕され」たとのこと。
逮捕された会社の2人の担当者は、全国的に顔をさらされていました。
「見せしめみたいだなぁ…」と感じました。
廃棄物処理法違反では、これまでももっと比較にならないほど規模の大きな悪質な事件が発生してきました。
もちろん、少量だから良いとか悪いということではありませんが、やはり今回はアスベスト絡みであることが大きく影響したのでしょう。
廃棄物処理法違反の罰則は次のようになっています。
“廃棄物をみだりに投棄すると、同法第16条の不法投棄となり、同法第25条1項14号の定めに従い、5年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金またはその両方が科せられます。”
2005年のクボタショックを受けて、翌年廃棄物処理法が改正され、アスベストを0.1%以上含む廃棄物を石綿含有産業廃棄物と定義しました。
また令和3年4月から施行されている改正大気汚染法では、罰則に関して次のように改正されました。
【改正前】
◆除去対象
・吹付材(レベル1)
・断熱材・保温材・耐火被覆材(レベル2)
◆罰則
・適合命令や作業の一時停止命令が出される。
・上記の命令に違反した際は罰則(6月以下の懲役又は50万円以下の罰金)
【改正後】
◆除去対象
・吹付材(レベル1)
・断熱材・保温材・耐火被覆材(レベル2)
・成形板(レベル3)
◆罰則
・適合命令や作業の一時停止命令が出される。
・上記の命令に違反した際は罰則(6月以下の懲役又は50万円以下の罰金)
つまり、大防法上でも罰則の対象に、スレート板などのアスベストレベル3も加わりました。
大防法・石綿則・廃棄物処理法の3つの法律の足並みが揃ったわけです。
新聞報道で見る限り、廃棄物は外壁に使われていたスレートとのことですから、アスベストレベル3だと思います。
当然、廃棄物処理法に則って、受け入れ可能な最終処分場と契約して廃棄物処理マニュアルで定められた梱包の要領で運び込まなければなりません。
今回のケースは、去年8月の事件です。
その頃、アスベストに関する法律改正の件で、あちこちの監督署や行政の窓口にお話しをうかがっていました。
担当の方からのお話しでは、「レベル1,2の規制でてんわやんわで、正直言ってレベル3まで手が回っていません」とのことでした。
それでも大気汚染防止法が改正されて、初めてレベル3まで規制対象になったのだから、規制強化に徐々に本腰を入れてくるだろうなぁ…と社内では考え、DMやこのブログで改正内容を伝えてきました。
いよいよ本格的にアスベスト規制が強化される。
これからも様々な機会を通じて、弊社の適正処理の製品の情報提供に努めていきたいと気持ちを新たにした事件でした。
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