Ⅲ2(4)事前調査の結果の都道府県等への報告
- 一部報道では報告件数が全国で200万件に及ぶと試算されている。
労働基準監督署と都道府県等に同様の報告をさせることは、事業者への負担 も増加し、行政事務としても非効率と考える。
また、膨大な報告を受けてからの利用法まで検討しているのか。
⇒報告の対象とする解体等工事の規模等の要件については、今後更に検討を行い、明確する必要があると考えています。また、施工者や都道府県等の負担軽減等の観点も考慮し、厚生労働省における 電子届出に係る検討を踏まえた仕組みとすることが適当であると考えています。
- 事前調査結果の都道府県知事への報告により、地方自治体の事務負担が激増すると予想されており、実効性に運用可能か甚だ疑わしい。事務の増加量や、必要な人員の増員量を示してもらいたい。また、これに対する財政的支援を検討しているか。関係機関への周知、自治体職員の質的向上をどのように考えているのか。
⇒厚生労働省における電子届出に係る検討を踏まえた仕組みとすることが適当であると考えています。
- 都道府県等は現場を把握していないため、事前調査結果の内容を精査するのは難しいと思われる。
⇒事前調査結果の報告は、都道府県等が解体等工事の現場及びその事前調査結果に係る情報を広く把握し、効果的・効率的に立入検査等を実施するために活用されるものと想定しています。また、事前調査を一定の知見を有する者に行わせることにより、都道府県等はその結果を記録や報告により確認することができます。講習会等を通じて都道府県等の職員の能力向上に努めることも重要と考えています。
- 平成18年9月1日以降の建築物等については、石綿が飛散するおそれはないので、都道府県等が把握する必要はなく、解体等工事の実施者が確認しておくことで足りると考えられるため、事前調査結果報告の対象外とすべきである
⇒平成18年9月1日以降に着工した建築物等についても事前調査の対象とすることとしております。
一方、書面調査の結果、調査対象の解体等工事が、平成18年9月1日以降に設置工事に着手した建築物等の解体・改造・補修工事又は平成18年9月1日以降に改造・補修工事に着手した部分の改造・補修工事に該当することが明らかになった場合は、現地調査等による石綿含有建材の有無の確認は不要であると考えています。
- 電子システム利用環境の整備及び事前調査結果報告の経過措置期間の設定について検討してほしい。
⇒事前調査結果の報告は新たな義務であるため、電子システムの構築や利用の準備に必要な期間を踏まえ、適切な制度の施行開始時期を検討するとともに、施工者や都道府県等に適切に周知する必要があると考えています。
- 労働安全衛生法(石綿障害予防規則)との内容の統一を図るべきである。特に、報告者が大気汚染防止法では「施工者」となっており、石綿障害予防規則では「解体等の作業を行う事業者」となっているが、報告者の統一あるいは、同一事業についてはいずれかで報告されていればよいこととすべきである。
できるだけ簡易・簡便なシステムにしてほしい。
- 各自治体に紙で報告されたものについても、自治体が電子報告システムに入力できる制度にしてほしい。その際、個別に報告者の同意を得なくて良いように、報告書様式へ「報告内容を自治体が電子報告システムに入力する場合がある」旨を記載するなど対応を行ってほしい。
⇒施工者や都道府県等の負担軽減等の観点も考慮し、事前調査結果の報告は、 厚生労働省における電子届出に係る検討を踏まえた仕組みとすることが適当であると考えています。
大気汚染防止法における報告及び石綿障害予防規則における届出を簡易に行うことができるよう、電子システムによるコネクテッド・ワンストップ化等、両制度の連携を含め、今後、電子システムの詳細を検討すべきと考えています。
事前調査の報告に係る技術的事項については、今後更に検討を行い、明確化す る必要があると考えています。
(所感:いずれにしても、自治体にはかなりの負担がかかりそうです)