お役立ち情報/解体工事/石綿/アスベスト/レベル3/スレート/フレコン

大防法・石綿則の改正によりアスベストレベル3含有建材も規制強化!

『石の肺-僕のアスベスト履歴書』(佐伯一麦)を読む①

『石の肺』の内容を簡単にご紹介していきます。

実体験に基づいた生々しい内容ですが、それだけにとても参考になります。

序章 国の指導で吹き付けた①

私、映画好きです。スティーブ・マックィーンという男優がいました。

f:id:relaybag:20220302093621p:plain

とてもカッコいい俳優さんでとても人気がありました。

彼は1980年に50歳で亡くなりました。

死因はガンだったということは知っていました。

今回、『石の肺』を読んで、死因はアスベストによる中皮腫だったということが分かりました。

Googleで検索すると、やはり中皮腫が死因だったと記載されていました。

なぜ中皮腫に罹ったのか?

写真をご覧いただくと分かりますが、彼はレーシング・ドライバーとしても有名でした。

『栄光のル・マン』という映画もあるくらいにレーシング好きでした。

レーシングには事故(クラッシュ)がつきものです。

レース事故で車だけでなくドライバーも火に包まれている場面を見たことがあると思います。

そのために、あの銀色のレーサー服やマスクには断熱材としてアスベストが使用されていたそうです。

【中皮とは】

内臓は膜におおわれており、この膜の表面をおおっているのが中皮です。具体的には、胸膜、心膜、腹膜などの表面をおおう薄い細胞層を指します。

中皮腫とは】

中皮細胞から発生する悪性の腫瘍を中皮腫といいます。中皮腫は、1か所で大きくなっていくタイプ(限局性:げんきょくせい)と膜全体に広がっていくタイプ(びまん性)がありますが、多くがびまん性に広がっていきます。

厚生労働省の人口動態統計に基づく中皮による死亡数の年次推移(平成7年から25年)によると、2016年の中皮腫による死亡総数は1,550人であり、1995年の死亡総数500人と比較して3倍強に年々増加しています。

悪性中皮腫の発症原因の1つとしてアスベスト石綿)が知られています。ばく露後40年前後の潜伏期間を経て発症することが報告されており、1970から80年代からアスベストが使われていた過去の経過を踏まえて、日本においては今後増加すると考えられています。

これらの悪性中皮腫の患者さんのうち、8割程度が悪性胸膜中皮腫、2割弱が悪性腹膜中皮腫、残りがその他の部位からの発症となっています。

石綿との関係】

胸膜中皮腫の原因の大部分はアスベスト石綿)の吸入が原因とされています。

通常、発症には石綿を吸い込んでから30~40年かかります。

石綿は、極めて微細な天然鉱物で、微細ゆえに、体内に取り込まれやすく、体内にとどまった石綿は、絶え間なく細胞を刺激し続け、やがて中皮腫になるといわれています。

そのため、石綿を扱う場所で働いていた人だけでなく、その家族やアスベスト関連の工場周辺に住んでいた人にも発生しています。

石綿は、1970年から1990年にかけて耐熱性、耐摩耗性などに優れているため、建材をはじめ、さまざまな用途に用いられてきた歴史があります。そのため、1970年の20年後の1990年頃から中皮腫による死亡者が増え始めました。今後、増加することが予想されています。

環境再生保全機構HPより引用)