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大防法・石綿則の改正によりアスベストレベル3含有建材も規制強化!

石綿アスベスト規制最新情報.com(東京都/最新規制②)

石綿含有成形板等の除去➀

【概要】

石綿を含有する成形板等は、石綿の繊維がセメント等で固化されているため、物理的な衝撃や損傷を加えなければ、使用状態で石綿が飛散することはほとんどない。しかし、解体・改修工事に伴い石綿含有成形板等を切断又は破砕等した場合には、石綿が飛散するおそれがある

このため、石綿含有成形板等の除去は、原則として切断又は破砕等することなく取り外すこと(手ばらし)が求められる

手ばらしが技術上著しく困難な場合には、成形板及び破断面を湿潤化しながら、除去することができる。

粉じんを多量に発生させるおそれがある石綿含有けい酸カルシウム板第1種の場合には、さらに隔離養生(負圧不要)等の措置が必要になる。

このように石綿含有成形板等の除去作業においては、現場の状況や除去する成形板の種類などに合わせて、適切な措置を講じる必要がある。

石綿含有成形板等の除去に係る措置】

石綿含有成形板等の除去に係る措置は以下の通り。

国マニュアル(175ページから)に記載されている措置をまとめたものは以下の通り。

大防法上は、手ばらしが原則であり、手ばらしが技術上著しく困難な場合には、けい酸カルシウム板第1種を除き、成形板及び破断面を湿潤化して切断等を行う。

石綿則では、湿潤化を行うことが著しく困難な場合は、十分な集じん性能を有する電動工具を使用することや隔離養生(負圧不要)を行うことにより、飛散防止措置を実施することとしている。

【作業方法の選定と留意点】

◆手ばらし

スパナ、ドライバー、電動ドライバーといった必要最低限の手工具を用いて建材を固定しているボルト、木ねじ、釘、ビス等を取り外すことにより、石綿含有成形板等を原型のまま取り外すことである。

大防法上の飛散防止措置は、原則、不要としているが、粉じんの飛散を防止するため、湿潤化や高性能真空掃除機の使用等の措置を行うことが望ましい

◆湿潤化

やむを得ず石綿含有成形板等の切断等が必要な場合には、粉じんを飛散させないよう湿潤化を行う。

湿潤化に当たっては、エアレススプレイヤや水道につないだホース等を使う。

石綿含有成形板等の除去作業を行う間、成形板表面、破断面等へ水等をかける。屋根で作業する際には、屋根が水等で濡れると作業者の足が滑りやすくなり転倒・転落するおそれがあるため、注意すること。

➀水噴霧

水噴霧は低コストで排水処理も不要であるが、一般的な状況では湿潤剤よりも飛散防止効果は低いと考えられる

成形板の種類により、表面に噴霧しても内部へ浸透しない場合があることから、あらかじめ現場で試験的に内部への浸透状況を把握することが必要である。

建材への浸透が表面的に悪くても、除去作業中に噴霧を行い、万一切断等する場合には破断面を速やかに湿潤化することで、石綿の飛散を少なくすることができる。

②湿潤剤の噴霧

石綿用の湿潤剤(粉じん飛散抑制剤)は多くの製品が流通しているが、一般には石綿含有吹付け材除去工事などで、石綿含有吹付け材に浸透させて飛散防止することを目的としている。

しかし、石綿含有成形板等であっても建材に十分浸透するならば、飛散抑制の効果は大きいと考えられる。

作業現場においては、まず試験的に成形板の表面へ湿潤剤を噴霧し、内部へ浸透する状況を把握した上で除去作業を行うことが必要である。

なお、建材への浸透が表面的に悪くても、除去作業中に湿潤剤の噴霧を行い、万一切断等する場合には破断面を速やかに湿潤化することで、石綿の飛散を少なくすることができるのは、水の噴霧と同様である。

③散水

湿潤化に散水を用いる方法は、使用水量が多いため、使用中の建物の内装材の改修工事などには採用できない場合があるが、解体現場でビニル床タイルを除去するような場合は、十分な散水を行い、除去作業を実施することができる。

この場合も破断面が確実に湿潤化するように、除去作業中のきめ細かな対応が必要である。

高圧洗浄機をスレート板などの湿潤化に使用すると石綿を飛散させるので、高圧洗浄機は使用しないこと。

◆養生

➀建物外部の作業場の養生

解体等工事においては、アスベスト対策のほか、一般粉じんの飛散防止や騒音対策、安全確保などのために工事現場外周を防じんシートなどにより覆いをする。

この養生に当たっては、より効果的な飛散防止のため、建物の高さより高い位置まで覆いを行うことが望ましい。

また、破片、粉じんを効率的に回収するため、養生内の作業場にプラスチックシートを敷き詰めることが望ましい。

石綿含有けい酸カルシウム板第1種を切断等により除去する場合には、湿潤化に加え隔離養生(負圧不要)をする必要がある。

 

②建物内部の作業場の養生

石綿含有成形板等の除去工事では、工法や建材の種類などによる飛散の可能性の程度にあわせ、適切な養生を行う必要がある。

例えば、内装材の改修に際して、湿潤化の徹底及び手ばらしによる原形を保った除去などにより、石綿の飛散量が少ない場合は、作業場の窓等の開口部の目張りなどの養生を行うことで外部への飛散防止措置とすることができる。

万一、意図せず石綿含有成形板等を破砕してしまった場合は、除去作業終了後、高性能真空掃除機等を用いて作業場内の清掃を念入りに行い、特定粉じんの飛散防止に心がけること。

◆設備機器類の撤去・搬出

➀撤去すべき設備機器類

設備機器類など移動可能なものを事前に撤去することで、空間が広がり作業がしやすくなるとともに、これらの機器類の養生も不要となる。

作業場内の清掃を行ってから、照明器具、ビルトインエアコン(組込み型のエアコン)、キッチン、洗面化粧台、ユニットバス、便器及び配管等の除去作業に支障があると考えられる設備類を撤去する。

②留意事項

(ア)釘・ネジ等で石綿含有成形板等にキズ等を付けないよう丁寧に撤去する。

(イ)蛍光管は、ダンボール箱等に詰め集積する。

(ウ)設備機器類に石綿、PCB、フロンガス等の存在が明らかな場合は、関連法令等に従い適切な処置をしなければならない。

◆原形のままの手ばらし

石綿含有成形板の除去作業は原則として手ばらしにより、原形を保ったまま行う。

石綿含有成形板を固定しているネジをはずすための電動ドライバー等の使用など、必要最低限の工具を用いた除去方法であり、石綿の飛散を最小限にすることができる。

ただし、ネジ部などにおいては作業により飛散の可能性があるため、特に入念に湿潤化する必要がある。

◆バール等を用いた除去作業

石綿含有成形板が接着されている等により、除去のためにやむを得ずバール等で破砕せざるを得ない場合は破砕箇所を極力最小限とする。

破砕にあたり、成形板全面を十分湿潤化し、また内部への浸透が悪い建材の場合は、作業中に湿潤剤や水を噴霧し、飛散を防止する。

また、除去作業終了後は、高性能真空掃除機により作業場内の清掃を行う必要がある。

石綿含有けい酸カルシウム板第1種を切断等する場合には、湿潤化に加え、隔離養生(負圧不要)が必要である。

電動工具等を用いた除去

電動工具等に頼らざるを得ない場合には、あらかじめ石綿含有成形板等の全面を散水等により十分に湿潤化するが、内部への浸透が少ないことも考えられることから、作業中は高性能掃除機の使用又は湿潤剤や水を噴霧しながら除去作業を行う等、飛散を極力防止することが重要である。

また、改修のために湿潤化ができない場合には、十分な集じん性能を有する電動工具を使用することや隔離養生(負圧不要)を行うことにより、石綿の飛散を防止することが必要になる。

隔離養生(負圧不要)で使用した養生シートは、内側に折りたたみ、プラスチック袋に入れて適正に処分する。除去作業終了後は、高性能真空掃除機により作業場内の清掃を行う必要がある。