石綿の健康被害には、じん肺(石綿肺)、肺がん、悪性中皮腫、良性石綿胸水(胸膜炎)、びまん性胸膜肥厚等があります。
石綿ばく露から20~50年の長い潜伏期間の後に発症するため、我が国では下表に示すように1990年代以降急激な増加傾向にあり、最近では毎年1500人に迫る方々が亡くなっています。
石綿の種類によっても発生率に差があることも知られており、クロシドライトの危険性が最も高く、アモサイトがこれに次ぎ、クリソタイルはクロシドライト、アモサイトよりも危険性が低いといわれています。
中皮腫の発症と石綿のばく露量の反応関係に関する信頼のおけるデータはありませんが、石綿による肺がん発症に比べて中皮腫の発症はかなり低濃度の石綿ばく露でも生じることが知られています。
石綿の輸入量のピークが1970年から1990年であったこと、潜伏期間が20~50年であることを考えた場合、2020年~2040年までは、この被害者増加の傾向は続くのではないかと考えられます。
二度とアスベストによる被害を出してはならない!という思いを強くさせるグラフですね。