ここから作業中の作業基準です。
まずは、すべての特定工事に適用される基準です。
以下、特定建築材料の種類ごとの基準です。
まずレベル1、2の基準からです。
レベル1と2は飛散性が高い建材ですから、解体に当たっては特に厳重な対策が必要です。
次はレベル2の断熱材等をかき落とし、切断・破砕以外の方法で除去する場合の作業基準です。
切断・破砕しないので、飛散の程度は比較的低いと判断されます。
次は石綿含有仕上塗材の除去の作業基準です。
これは令和3年4月の法律改正施行後に新たに加えられた作業基準です。
仕上塗材は意匠目的で建物の内外装に用いられている材料です。
立体的な凹凸があり、厚さ数ミリと通常の塗料に比べて厚いことが特徴で、リシン、スタッコ、吹付けタイル、じゅらくなどと呼ばれることもあります。
これらの塗材を施工するときに、ひび割れやダレを防止するためにアスベストを添加していたことがあるとのことです。
また、塗材の施工前にコンクリートの表面の凹凸を埋めるために塗る下地調整材にも、アスベストが含まれていた事例があると言われています。
仕上塗材本体と下地調整材のどちらにアスベストが含まれていたかによって、除去の方法や施工範囲(深さ)が変わりますので、解体等の工事前の調査の際には、どの部分にアスベストが含有しているかを調査する必要があるというのがアスベスト除去専門会社の案内にあります。
次は成形板等の作業基準です。
除去の方法としては、原形のまま取り外すことが原則です。
石綿含有建材の出荷量のうち、およそ96%が石綿含有成形板等であると言われています。
弊社で、新規のご注文の際にヒアリングした内容としては、従来、スレート板などの長尺物は割って通常のフレコンバッグに入れていたというお話をよく伺います。
法律の改正によって、割ってしまうと石綿が飛散する恐れがあるということがわかり、作業員の健康を守るだけではなく、周辺住民の方々へご迷惑をかけることになるので、原則割らずに取り外し、そのまま入れられるフレコンということで、弊社のロングタイプへのご用命が増えています。
ケイ酸カルシウム板は第1種と第2種の2種類に分類されます。
主な成分は同じなのですが、主にかさ比重(同じ体積における重さ)によって分けられています。
石綿調査においてこのことは注意が必要で、かさ比重は飛散しやすさに関係するため撤去作業の作業分類が違います。
石綿含有ケイ酸カルシウム板第1種はレベル3、第2種はレベル2に該当します。
調査時の確認が撤去作業の安全性を左右しますので、ケイ酸カルシウム板の判断には気をつけないといけないとのことです。
第1種は比較的薄くて重く(厚4mm~10mm)、内装ボードや天井材などに使用されており、第2種は主に分厚くて軽く(厚12mm~70mm)、鉄骨の耐火被覆材などに使用されています。
改造や補修工事における作業基準です。
囲い込み等とは、封じ込めと囲い込みのことです。
封じ込め工法とは建物内に存在するアスベストに固定させるための溶剤を吹きかけて外側からアスベストが飛散しないように封じ込めるという方法です。
囲い込み工法とはアスベストが露出している部分をそのままに、非アスベストをその外側から取り付けてアスベストを完全に密封し飛散を防ぐという方法です。