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大防法・石綿則の改正によりアスベストレベル3含有建材も規制強化!

『石の肺-僕のアスベスト履歴書』(佐伯一麦)を読む⑦

第七章 何をいまさら

第五章 アスベストとはなにか(略)

第六章 時限爆弾はいつか目覚める(略)

第七章 何をいまさら

佐伯一麦さんの中皮腫は文学界でも有名になり、「早死にする作家ナンバーワンは佐伯一麦だ」と噂されていたとのことでした。

彼は、まだまだ文学一本では家族を食べさせることができなくて、相変わらず電気工と作家の二股稼業でした。

バブルも弾け不景気になり、奥様との間もしっくりせず離婚し、うつ病の治療も始めました。

それから12年後…

「クボタショック」襲来

「そこには、昨日29日、クボタが「尼崎市の旧神崎工場で働いていた従業員ら78人が、アスベストが原因のがん、中皮腫などで死亡していた」と発表し、さらに、近隣住民にも中皮腫の患者がいることも公表した、と報じられていました。(クボタの情報開示はもちろん評価できますが、6月29日の毎日新聞大阪版の夕刊一面トップ記事に、ずっとアスベスト問題を追ってきた毎日新聞大阪本社社会部編集委員の大島秀利記者による「10年で51人が死亡 アスベスト関連病で 社員らを支援 クボタが開示」というスクープが掲載されることになって、急遽記者会見した、という事情もあったようです)」

日本中に衝撃を与えた「クボタショック」の幕開けでした。

そしてこのときから、日本列島がアスベスト騒動の渦に巻き込まれました。

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クボタ旧工場跡にて 「いまのぼくたちは、かつて封印されていたものが、それを解かれて表へと露出してしまった時代を生きているのかもしれない、と思いました。

阪神淡路大震災で、人々は否応なく、建物の内部や構造に目を向けざるを得なくなりました。

その被災の現場でも、アスベストが飛散していたと聞きますが、そもそも建設労働者は常にそのさなかで働いてきたわけです。

その後、9・11で倒壊したワールドトレードセンタービル(建築中にアスベスト使用が禁止されたために、建物の40階近くまで工事中だった耐火被覆材のアスベストを全部取り除いて新材料にやりかえたために倒壊したともいわれています)もしかりです。

まだまだ、世の中の死角に入っていたものが、これからもあらわれるのではないか、とぼくは思いました。」

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