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大防法・石綿則の改正によりアスベストレベル3含有建材も規制強化!

今年もクボタショックの時期になりました。 

クボタショックとは、2005年6月29日に、毎日新聞兵庫県尼崎市の大手機械メーカー・クボタの旧神崎工場の周辺住民にアスベスト石綿)疾患が発生していると報道したことを契機として、社会的なアスベスト健康被害の問題が急浮上してきた現象のことです。

毎年、この時期になると「クボタショック〇年後」という記事が出されます。

今年は18年目に当たります。

支援団体によると、例年この時期にまとめている救済金請求者の累計は、今年408人となり、この1年で10人増えたとのこと。

石綿は、吸い込んでから発症するまでに数十年の潜伏期間があり「静かな時限爆弾」とも呼ばれていますので、被害者は今後も増えるとみられます。

また、408人のうち385人はすでに亡くなっているとのことです。

 

以前、『石の肺』という書籍を読んだことがあります。

著者の佐伯一麦氏は電気工をしていた20代にアスベストの被害で肋膜炎にかかり、以後、喘息の持病を抱えながら執筆を行なっています。

この書籍を読んでいると、こちらも何か息苦しくなってきます。

アスベストは飛散します。

この飛散を防ぐ手法として、大防法と石綿則では原則「手ばらし」という施工方法を指導しています。

技術的に「手ばらし」ができない時に「湿潤化」が認められています。

最近、この「湿潤化」に加えて、「除じん性能を有する電動工具」の使用を認めてはどうかという議論がなされています。

つまり、「石綿等の切断等の作業等における粉じん発散防止措置については、「湿潤化」に限定せず、湿潤化、除じん性能を有する電動工具の使用その他の石綿等の粉じんの発散を防止する措置のいずれかの措置を行うことを義務付けることとし、 石綿則等を見直すべきである。」という議論です。

「あれ?手ばらしは?」と思ってしまいますが、見直しの基本として、次のように注意事項が記載されています。

「なお、当該見直しは、電動工具による切断等を推奨するものではなく石綿等は切断等以外の方法(ボルトや釘等を撤去し、手作業で取り外すこと)で行う必要があり、これを実施することが技術上困難な場合に限り、電動工具等で石綿等の切断等を行うことが認められているという従来の考え方を変えるべきではない。見直しに当たっては、この考えを改めて事業者等に周知すべきである。」

大原則は「手ばらし」で「原形のまま」取り外すことのようです。