最後にもう一度、法律改正の内容を“おさらい”しておきます。
石綿(アスベスト)による健康障害の予防対策の一層の推進を図るため、平成17年(2005年)に石綿障害予防規則(石綿則)が制定され、これに基づく措置が事業者等に義務付けられています。
しかしながら、石綿則で義務付けられている作業開始前の石綿含有の有無の事前調査など、建築物等の解体・改修工事を行う際に必要な措置が実施されていない事例が散見されたことから、解体・改修工事における石綿ばく露による健康障害を防止するため、令和2年(2020年)7月に石綿則が改正されました。
※その前月に大気汚染防止法が改正され、それまでは規制対象外であった、アスベストレベル3のスレート板等も法律の規制対象となりました。
この改正を契機に、大防法(環境省)と石綿則(厚労省)の2つの法律の足並みが揃いました。
解体・改修・リフォーム工事に関して、すべての現場でアスベストの有無に関する調査が義務付けられ、調査結果の記録を3年間保存することが義務付けられました。
なお、この事前調査は、来年(令和5年)10月からは、一定の資格保有者が行うことが義務付けられます。
吹付け石綿だけでなく、アスベストが含まれる保温材などの除去工事に関しては、工事の14日前までに労働基準監督署に届けなければなりません。
また、一定規模以上の解体・改修工事は、事前調査の結果を電子システムで届けることが義務付けられました。
大防法で規制対象になったアスベストレベル3の除去工事です。
スレート板などの成形板等は、原則、切断や破砕しないように建物から取り外すことが義務付けられました。
改正法の施行は段階的に実施されています。今後のスケジュールです。