お役立ち情報/解体工事/石綿/アスベスト/レベル3/スレート/フレコン

大防法・石綿則の改正によりアスベストレベル3含有建材も規制強化!

廃棄物処理法とアスベスト その1 

7月13日の「産業廃棄物違反で逮捕!」という事件は大変ショッキングでした。

産業廃棄物法違反の事案は下表の通り、毎年7000件を大きく上回っています。

決して少なくない違反の中で、今回の事件が衝撃的だったのは、アスベスト含有廃棄物を不法投棄したということ、しかも従来は「非飛散性」と呼ばれていたアスベストレベル3のスレート板であったということと、逮捕された姿が、全国的にマスコミ(特にテレビ)を通じて公に公開されたことが要因だったようです。

今回の事件は唐突だったように感じられますが、その予兆は以前からあったようです。

いつも分かりやすい情報を伝えていただく一般社団法人企業環境リスク解決機構(CERSI)さんが、次の内容をWEB上で公開していますので紹介させていただきます。

投稿日は5ケ月前の2月1日です。

ちょっと長めですが引用します。

石綿アスベスト)の法規制に関しては、年々強化され続けています。その背景として、2021年5月の建設アスベスト訴訟において国が敗訴(参考記事:厚生労働省)したことや、石綿による疾病で、現在でも年間1,000件前後で保険給付が決定(労災保険法に基づく)されている事実があります。

実際に解体・改修工事を行う事業者の方の中には、そこまで法規制が強化されている実感が無い方もいらっしゃるかもしれません。ですが、実は現在、すでに労働基準監督署を始めとする行政は、動き始めています。

今回は、そんな石綿アスベスト)の実際にあった違反や書類送検事例と、指導・摘発の実態を解説していきます。

2020年の石綿関連法の改正は、2021年から順次施行されています。
中でも、2022年4月から事前調査結果の報告義務がスタートしたことによって、行政から事業者への直接的な指導が行われるようになり、「具体的にどのような指導は行われているのか?」その内容が明らかになってきました。

報告対象である解体:80㎡以上、改修:100万円以上の工事に対して、石綿なし/みなしと報告したものについては、飛散防止対策は十分かの確認があり、立ち入り調査を実施する事例も出ています。

石綿なしと報告したものについては、どのような調査で石綿なしと判断したか、担当者へ聞き取り調査し、その調査・判断が適切でないと、みなすか分析をしなければならないと指導された事例もあります。

全く報告していない事業者については、石綿の事前調査していないと判断され、指導されています。

厚労省通知「石綿ばく露防止対策の推進について」(令和4年1月13日)には、報告していない事業者を特定し、(リフォーム団体の事業者リストも含め)積極的に指導することと記載されています。

https://www.mhlw.go.jp/content/050728-1.pdf

さらに、通知に基づき、行政側はリフォーム業者・解体事業者をリストアップし、報告制度が始まっても報告していない事業者について、指導していると考えられます。

規制強化指導のターゲットは石綿事前調査の対象となる工事であり、規模の裾切りはリストアップの手段です。

一番の目的は、石綿除去等作業での飛散・ばく露防止対策と言えるでしょう。

労働基準監督署をはじめとする行政は、すでに動き出しています。
2022年7月には東京労働局が、8月には大阪労働局が、いずれも石綿の使用の有無を調査しなかったとして、送検事例を公表しています。

また最新の実例として、2022年12月に大阪労働局が新たに書類送検を公表しました。公表によると、今回の送検事例は「通報」がきっかけだった、という事です。

書類送検の発表では、社名が公表されます。また、起訴されるのは「会社」および「石綿管理を行う責任者」となっており、書類送検をされた3社とも、起訴対象は会社と責任者の両方となっています。

今回、改正の対象となった石綿関連法令の管轄の1つである労働基準監督署は、労働関係の法令違反に対して行政上の権限だけでなく、司法警察員の権限も有しています。
どういう事かと言うと、労働基準監督官には、捜査、逮捕(現行犯逮捕・緊急逮捕・令状逮捕)、逮捕の際の令状によらない差押え・捜査・検証及び令状による差押え・捜査・検証等の権限があり、また、送検も行うことが可能で、警察官と同じレベルの権限を与えられている数少ない機関となります。

周辺住民、従業員、作業員からの通報がきっかけとなって、立入調査が実施される場合もあります。そのため、発注者、元請業者、下請業者等、それぞれの立場で規制強化に対応していく必要があります。

そのためにも、解体・改修に関わる事業者は、石綿に関する知識をしっかりとつけて、自分自身と会社を守っていく必要があるのです。“