ISSP国際比較という調査があります。
NHK放送文化研究所が加盟している国際比較調査グループISSP(International Social Survey Programme)による調査です。
少し古い調査(2005年)ですが、「職業意識」に関する調査です。
「今の仕事に満足していますか?」という質問に対する回答結果が下表です。
前回のLinkedin(リンクトイン)の調査が2014年ですから、そこから遡ること9年前、既に我が国では「今の仕事に満足してい」ない人が増えていたわけです。
32ヶ国中、下から5番目です。
まあそれでも73%の人が「まあ満足している」わけですが…。
その反面、仕事でストレスを感じることはありますか? という質問に対しては、38%の人が「あります」と答えています。
上から8番目です。
ストレスに関しては、10年後の2015年のISSP国際比較では、右のように、男性も女性もストレスを感じる比率は増えています。
いつの間にか、我が国はストレス過多で、仕事に満足を感じない国になっています。
さらに、キャリコンの仕事でもう一つ気になることがあります。
退職理由の9割以上が「人間関係」であることです。
ISSP国際比較では以下のようになっています。
左側が経営者との人間関係です。下にいくほど関係が悪いということです。
右側が同僚との人間関係です。両方とも諸外国に比べて低いです。
最後に、「勤務先の会社に“誇り”をもっているか?」という質問です。
これも低いです。
32ケ国中、下から8番目。韓国より、ひとつ上。
勤務先に“誇り”を持っていません。
次のような従業員像が目に浮かびます。
職場の経営者(上司)だけでなく、同僚との人間関係も良くなく、毎日ストレスを感じながら仕事をして、仕事に満足感を感じることなく、会社や職場に“誇り”を感じられない。
あくまでも、各国との比較上の結果ですが、私の10年間に亘るキャリコンの仕事でも、同じような職業観を持つ方々ばかりでした。
SDGsに取り組むに当たって、単に我が社の製品を「売って、売って、売りまくる」ことだけで良いのでしょうか?
我が社の従業員の思いはどうなんだろうか?